【第21章の補遺】:自律神経失調症など

排尿障害

 ※下部尿路に分布する自律神は交感神経はTh11〜L2。副交感神経はS2〜4
  を下位中枢としており、骨盤神経叢で合流したのち、膀胱および尿道に分
  布。
  仙髄副交感神経は主として膀胱排尿筋を支配、胸腰髄交感神経は主として
  内尿道括約筋を支配しているため、これの障害は排尿筋の収縮障害と尿道
  括約筋不全を招く。

 A.原因
  1.直腸癌根治術後排尿障害
   中直腸動脈近傍の手術的処置のところで起こる
  2.子宮癌根治術後排尿障害
   基靭帯の処置のあたりで骨盤神経叢を損傷






【第22章の補遺】:診断に役立つ知識の寄せ集め

失神の原因疾患

 1.Cardiac syncope
  ・Bradyarrhythmias
  ・Tachyarrhythmias
  ・Outflow-tract obstruction
  ・Failing myocardium

 2.Neurocardiogenic syncope(direct cardiac inhibition)
  ・Vasovagal syncope
  ・Carotid sinus syndrome
  ・Micturition syncope
  ・Cough syncope
  ・Emotional states

 3.Vasomotor syncope(inability to maintain peripheral vascular tone)
  ・Hypovolemia
  ・Medications
  ・Peripheral or autonomic neuropathies
  ・Peripheral vascular disease

 4.Noncardiovasculat syncope
  ・Seizure disorders
  ・Syncopal migraine
  ・Hypoglycemia
  ・Hypoxia
  ・Hyperventilation
  ・Vertigo
  ・Hysteria






脳卒中または脳卒中類似の発作を起こす疾患

 1.特に小児において
  1).Disorders of blood vessels or blood
   ・Embolism
   ・Premature atherosclerosis
   ・Vasculitis
   ・Noninflammatory forms of vasculopathy
   ・Congenital and acquired heart disease
   ・Hypercoagulable states
  2).Metabolic diseases

 2.代謝性疾患
  1).Fabry's disease
  2).Homocystinuria
  3).Organic-acid disorders
   ・Methylmaronicacidemia
   ・Propionicacidemia
   ・Isovarericacidemia
   ・Glutaricaciduria,type I and II
  4).Ornithine transcarbamylase deficiency
  5).Carbonhydrate-deficient glycoprotein syndrome
  6).Mitochondrialmyopathy,encephalopathy,lactic acidosis,and
    strokr-like episode(MELAS)






ツベルクリン反応のブースター現象のまとめ

 1.BCG接種後のツ反応は1〜2か月後に最強となり、以後は徐々に減弱して
  ゆく。

 2.したがって、BCG接種後年余を経てツ反応検査 (T1) を行うと弱い反応を
  示すものが多い。

 3.T1の1〜3週後に再びツ反応検査 (T2) を行うと、ツ反応は大きくなって
  いる。元の大きさに戻るためと考えられている。これをT1のブースター効
  果(回復効果)でブースター現象が認められたという。

 4.T2の後、ツ反応を繰り返してもそれ以上は大きくならない。

 5.T1の効果は約2年ほど残ると考えられているが、数年後には再びツ反応は
  減弱している。したがって、小学1年生時のツ反応の影響は中学1年生時
  にはなくなっており再びツ反応検査を行えばブースター現象が再び認めら
  れる。

 6.T1とT2の発赤径の差は平均8〜10mm、標準偏差は6ないし8程度であ
  る。

 7.非結核性好酸菌の感染の場合にも、ツ反応の減弱は比較的早く、したがっ
  てT2でブースター現象が認められると言われている。結核菌感染の場合で
  も長年月を経てツ反応が減弱していれば、T2でブースター現象が認められ
  る。

 8.結核病院に勤務している職員は、知らぬ間に結核菌を吸入し、これがブー
  スターとなって強いツ反応を示すことが多い。結核病院勤務者でのツ反応
  の解釈は難しいことが少なくない。






【第24章の補遺】:血液・血管疾患など

再生不良性貧血の診断基準

 1.再生不良性貧血では一般臨床所見として貧血、出血傾向、時に発熱をみ
  る。

 2.末梢血において汎血球減少症を認める。
  注1.汎血球減少症とは成人でRBC、男400×10000/μl未満、女350×
    10000/μl未満、WBC4000/μl未満、血小板数10×10000/μl未
    満の状態を指している。
  注2.小児の場合は成人女性に準じる、

 3.汎血球減少の原因となる他の疾患を認めない。他の原因疾患とはleukem-
  ia、MDS、myelofibrosis、癌の骨転移、myeloma、Banti症候群、
  lymphoma、感染症をいう。

 4.汎血球減少症に下記のような検査成績が加われば診断の確実性が増加す
  る。
  1).末梢血相対的リンパ球の増加
  2).末梢血の網赤血球絶対数が正常より増加していない(絶対数=赤血球数
    ×%)
  3).骨髄穿刺所見で、細胞数が原則として減少するが、減少がみられない場
    合でも巨核球の減少とリンパ球比率の増加を認める。
  4).骨髄生検所見で、造血細胞の減少
  5).血清鉄値の上昇と不飽和鉄結合能の低下
  6).放射性鉄の血漿中からの消失時間 (PID) の延長と赤血球交替率 (RIT)
    の低下

 5.診断に際しては、先ず 1. 2. によって再生不良性貧血を疑い、3. によって
  他の疾患を除外し、4. によってさらに診断が確実なものとなる。しかしな
  がら 4. の所見がすべてそろっていなければ診断ができないことはなく、
  治療に対する反応を含めた経過の観察によって確定診断に到達する。






骨髄異形成症候(myelodysplastic syndrome (MDS) 、不応性貧血)の診断基準

 1.慢性の貧血を主とするが、時に出血傾向や発熱あり。

 2.末梢血の2〜3血球減少、原則として正〜過形成の骨髄。末梢血や骨髄の
  血球異形成的形態異常*を呈す。
  * 赤血球系:巨赤芽球様変化、多核の巨大赤芽球
   顆粒球系:過分葉核の大型好中球、好中球核の低分葉、好中球顆粒の減
        少など
   血小板系:円形分離多核の巨核球、微小巨核球、巨大血小板など

 3.血小板減少の原因となる他疾患を認めない
  再生不良性貧血、ITP、myelofibrosis、悪性貧血、膠原病、肝硬変(脾
  機能亢進症)、癌の骨髄転移、myeloma、lymphoma、感染症など。骨
  髄損傷を伴う放射線治療や抗腫瘍剤投与歴を有する場合は原発症例とは取
  り扱わない。

 4.下記の検査成績が加われば診断の補助となる。
  1).骨髄細胞の染色体異常
  2).骨髄細胞の細胞化学的異常
    PAS陽性赤芽球、ペルオキシダーゼ陰性好中球好中球ALP活性低下
  3).血清鉄値の上昇とUIBCの低下、血清フェリチンの増加
  4).放射性鉄の血漿中からの消失時間 (PID) 短縮と赤血球鉄利用率 (RCU)
    の低下

 5.まず 1. 2. によって骨髄異形成症候群(不応性貧血)を疑い、3. によって
  さらに診断を確実なものとする。しかし 4. の所見がすべて揃っていなけ
  れば診断できないことはなく慢性かつ治療難反応性の経過の観察によって
  確定診断に適する。






骨髄異形成症候(myelodysplastic syndrome(MDS))の国際予後判定スコアリング

・骨髄芽球比率 評 価
 5% 以下
 5〜10%
 11〜20%
 21〜30%
0.0
0.5
1.5
2.0
・細胞遺伝検査(染色体)
 良い(正常核型、-Y、5q-、20q-)
 中間(良いと悪いを除く他の染色体異常)
 悪い(複雑型(3個以上の染色体異常)、
 第7染色体の異常)
0.0
0.5
1.0
・血球減少(好中球数<1800、Hb濃度<10g/dl、血小板数<10万)
 0 または 1系統血球減少
 2 または 3系統血球減少
0.0
0.5
・危険度 合計点
 low
 intermediate-1
 intermediate-2
 high
0
0.5〜1.0
1.5〜2.0
2.0






【第25章の補遺】:消化器系疾患

慢性下痢をみる疾患と頻度

 1).過敏性腸症候群
   慢性下痢の70〜80%がこれによる
 2).非特異性炎症性腸疾患,潰瘍性大腸炎,Crohn病
   慢性下痢の10〜20%
 3).腫瘍性疾患
   慢性下痢の5〜10%を占める

 1.新生物
  (1).悪性腫瘍
   a.大腸癌の中でも特に直腸、S状結腸癌が多い
   b.リンパ腫
   c.胃癌
   d.膵癌
  (2).ホルモン産生腫瘍
    カルチノイド、Zollinger-Ellison症候群、WDHA症候群
  (3).良性腫瘍
    絨毛腺腫、大腸ポリポーシス

 2.感染症、寄生虫疾患
  a.腸結核
  b.アメーバ赤痢
  c.Giardia症
  d.日本住血吸虫症
  e.糞線虫症

 3.薬剤性下痢
  下剤、マグネシウムを含む制酸剤、抗生物質、ジギタリス、キニジン、降
  圧利尿剤、血糖降下剤、抗結核剤、副交感神経刺激剤、5-FU、メトソレ
  キセート、コルヒチン

 4.術後性下痢
  胃切除、胃腸吻合、短腸症候群、盲管症候群、膵切除

 5.消化吸収不良疾患
  小腸憩室、乳糖不耐症、蛋白漏出性胃腸症、celiac sprue、慢性膵炎、
  膵嚢胞性線維症

 6.全身性疾患
  甲状腺疾患、Addison病、糖尿病、アミロイドーシス、アレルギー性疾患
  Behcet病、腎不全

 7.その他
  放射線腸炎、アルコール過飲、大腸憩室(右側結腸憩室症)

 ※鑑別のポイント
  a.過敏性腸症候群
   ・精神的緊張時に起こる腹痛と下痢.特に食直後に起こりやすい.排ガ
    ス、排便で軽快する
   ・下痢が長期におよんでも体重減少や栄養障害をみない
   ・諸検査成績に異常を認めない.注腸X線検査で、大腸のハウストラの細
    小化をみる

  b.腸管悪性腫瘍
   ・直腸、S状結腸癌では、便柱の外側に血液付着、深部結腸癌では、潜
    血反応陽性
   ・注腸X線検査で腸管内の腫瘤陰影
   ・内視鏡検査、生検で確定診断

  c.潰瘍性大腸炎
   ・若年者に多く、下痢で発症し、後に粘血下痢状となる
   ・中等度以上では、貧血、発熱、赤沈亢進、CRP陽性、白血球増多、血
    小板増多
   ・注腸X線検査で、直腸から連続性にハウストラの消失、棘状突出像、
    偽ポリポージス像.内視鏡検査では、粘膜は易出血性、毛細血管像が不
    透見、びらん、潰瘍、偽ポリープを認める

  d.Crohn病
   ・若年者に多く、腹痛、貧血、肛門病変の合併、ツ反陰性
   ・X線造影
    小腸、大腸に粘膜の敷石状所見、縦走潰瘍、病巣の非連続性、裂溝、
    瘻孔形成、非対称性の狭窄
   ・内視鏡所見
    縦走潰瘍、敷石状所見、偽ポリープ、生検で非乾酪性肉芽腫

  e.腸結核
   ・ツ反陽性、結核性疾患の既往歴
   ・小腸、大腸のX線検査:不整形潰瘍、輪状狭窄
   ・糞便の結核菌培養.生検組織で乾酪性肉芽腫、結核菌証明

  f.消化吸収不良症候群
   ・脂肪便、糞便の脂肪染色(Sudan鮟染色)で脂肪滴証明
   ・貧血、低蛋白血症、低コレステロール血症
   ・消化管手術などの既往

 ※どうしても診断がつかないとき試みること
  a.先ずは悪性腫瘍を見逃がさないように心がける
   便潜血反応の再検、2日連続で施行し、陽性なら小・大腸のX線造影検
   査、全大腸内視鏡検査
  b.全身性疾患、内分泌疾患のチェック.
  c.不明なら過敏性腸症候群として治療.経過観察中も便潜血反応を繰り返し
   行う






舌痛を訴える疾患

 1.器質的変化を伴うもの
  (1).炎症
    ウイルス感染症、梅毒、結核、カンジダ症、地図状舌、アフタ、ベー
    チェット症候群、多型性紅斑、紅斑症、扁平苔癬、天疱瘡、類天疱瘡
    など
  (2).腫瘍
    悪性腫瘍、白板症など
  (3).外傷
    咬傷、熱傷、機械的刺激(不良補綴物、歯牙鋭縁などによる)
  (4).刺激物によるもの
    たばこ、アルコール、香料(ニッケ、ハッカ等)など
  (5).貧血
    鉄欠乏性貧血、悪性貧血
  (6).口腔乾燥症
    シェーグレン症候群、ミクリッツ病、糖尿病、加齢、薬物性
  (7).ビタミン欠乏症
    ビタミンB2、ビタミンB6、ニコチン酸欠乏症(ペラグラ)
  ※二次的にビタミンB群の欠乏を来すもの
   白血病、再生不良性貧血、肝硬変、血小板減少症性紫斑病、顆粒球減少
   症、中毒(水銀、鉛)

 2.器質的変化を伴わないもの
  (1).神経痛
    三叉神経痛、舌咽神経痛
  (2).ガルバニズム
  (3).顎関節疾患や扁桃疾患の関連痛
  (4).舌痛

 3.外見よりの鑑別
  (1).びらん、潰瘍を主徴
    ウイルス感染症、梅毒、結核、悪性腫瘍、アフタ、ベーチェット症候
    群、外傷
  (2).水泡を主徴
    ウイルス感染症、天疱瘡、類天疱瘡など
  (3).紅斑(びらんを伴うものも含む)を主徴
    多型滲出性紅斑、紅斑症
  (4).白斑を主徴
    白板症、扁平苔癬、悪性腫瘍、ニコチン酸欠乏症(ペラグラ)






口腔粘膜の診断(疾患による潰瘍の違い)

  アフタ 褥創性潰瘍 結核性潰瘍 梅毒性潰瘍 舌 癌
自覚症状 強い痛み 軽度接触痛 強い接触痛 少ない 腫脹、疼痛
形 状 円形又は類円形 不定型、陥凹や噴火口状 不定型、穿掘性 類円形、すり鉢型
無痛性腫瘤が先行
不定、堤防状
カリフラワー状隆起
穿掘性
辺 縁 明 瞭
周囲に紅斑
不規則
辺縁やや隆起、発赤
潜蝕性 やや堤防状
浸潤硬結
ときに亀裂
隆 起
潰瘍辺縁の硬結が強い
底 面 浅く平坦
黄白色の苔状物
平 坦
白色〜黄色白の膜様物で被覆
浅く平坦
顆粒状肉芽
粘液膿で被覆
深 い
豚脂状苔状物で被覆
深浅不定
石の目状で粗面イボ状
出血性 なし なし 易出血性 なし 易出血性
その他 所属リンパ節
腫脹 (-)
多発性、周期性のことあり
所属リンパ節
腫脹 (-)
所属リンパ節腫脹
他の部位の結核病変
所属リンパ節の無痛性腫脹 所属リンパ節の無痛性腫脹
確定診断 再発の繰り返し
基礎疾患否定
原因の発見
除去
細菌検査
組織検査
梅毒血清検査 細胞診
組織検査







小児の膵炎の原因

 a.Congenital obstructive lesions
  ・Pancreas divism
  ・Annular pancreas
  ・Choledochal cyst
  ・Choledochocele
  ・Duodenal duplication
  ・Absence of pancreatic duct
  ・Stenosis of ampulla of Vater
  ・Periampullary diverticulum
  ・Anomalous choledochopancreeaticoductal junction

 b.Acquired obstructive lesions
  ・Pseudocyst
  ・Gallstones
  ・Beenign or malignant tumor
  ・Post-traumatic lesions(from abdominal injury or child abuse)
  ・Lesions due to parasitic infection

 c.Hereditary disorders
  ・Hereditary pancreatitis
  ・Cystic fibrosis
  ・Hyperparathyroidism
  ・Hyperlipoproteinemia
  ・Mitochondrial disorder
  ・α1-antitrypsin deficiency
  ・Hemochromatosis

 d.Multisystem disease
  ・Reye's syndrome
  ・shock
  ・Kawasaki's disease
  ・Inflammatory bowel disease(Crohn's disease or ulcerative colitis)
  ・Schonlein-Henoch purpura
  ・SLE
  ・Disorders associated with malnutrition or resumption of feeding
  ・sarcoidosis

 e.Infection
  ・Sepsis
  ・viral infections(measles, mumps, EV-virus, coxackie-B,
   hepatitis-A.B,influenza, or echo viruses)
  ・Mycoplasma pneumoniae infection

 f.Drug or toxins
  ・Alcohol
  ・Prescribeed medications
  ・Toxins due to hyperalimentation

 g.Metabolic disease
  ・Hypercalcemia
  ・Uremia
  ・Hypertriglyceridemia

 h.Types of pancreatitis due to other causes
  ・Juvenile tropical pancreatitis
  ・Fibrosing pancreatitis
  ・Postoperative pancreatitis
  ・Post-transplantation paancreatitis
  ・Idiopathic recurrent pancreeatitis






年長児の直腸出血の原因

 ・Anal fissure
 ・Infectious diarrhea
 ・Juvenile polyps
 ・Lymphonodular hyperplasia
 ・Inflammatory bowel disease
 ・Hemorrhoids
 ・Pseudomembranous colitis
 ・Meckel's diverticulum
 ・Allergic colitis
 ・Intussusception
 ・Vascular malformations
 ・Dieulafoy's vascular malformations
 ・Intestinal duplication
 ・Schonlein-Henoch purpura
 ・Hemolytic-uremic syndrome
 ・Vasculitis, including SLE
 ・Polyposis syndromes
 ・arteriovenous malformations
 ・Tumors






【第27章の補遺】:筋肉・運動器の疾患

筋緊張・痙攣の発症部位による分類とその代表的疾患

 1.筋起源
  a.筋拘縮:筋電図では運動単位電位を認めない
   ・Tarui病、McArdle病などの代謝性ミオパチー
   ・甲状腺機能低下症(Hoffman症候群)
   ・虚血性
   ・悪性高熱症
  b.ミオトニア症候群:筋電図でミオトニア放電を認める

 2.末梢神経起源
  a.筋電図上、高頻度の運動単位電位、反復放電を認めるが、感覚障害はな
   い。
   ・通常の筋痙攣(妊娠時、過剰な運動後など)
   ・下位運動ニューロン疾患(ALSなど)
   ・Isaacs症候群
   ・血液透析中の細胞外低浸透圧
   ・薬物など
  b.感覚障害を伴う(テタニー)
   ・低カルシウム血症など

 3.中枢神経起源:筋電図上、随意収縮と区別出来ない高頻度の運動単位電位
  を認める
  ・stiff-man症候群
  ・破傷風
  ・全身こむらがえり病(里吉病)

 (注釈)
  ※運動単位電位:筋電図において随意収縮時にみられる単発の電位変化。
  ※運動単位電位の反復発火
   ・ミオキミア放電
    運動単位電位が持続性に、また電位変化が減衰することなく反復する
    放電現象。
   ・ニューロミオトニア放電
    運動単位電位が持続性に、しかも減衰性に、周期も頻発性に反復する
    放電現象。
   ・SIRD
    神経伝導検査で複合筋活動電位のあとに持続する反復放電現象







Isaacs症候群とstiff-man症候群の比較

  Isaacs 症候群 stiff-man 症候群
1.臨床症状
 a.筋緊張、痙攣 四肢遠位筋優位 躯幹筋・近位筋優位
 b.誘発因子 四肢の運動 四肢の運動、知覚・情動刺激
 c.睡 眠 消失しない 消失する
 d.神経学的所見 深部腱反射消失 筋硬直以外正常
 e.その他 発汗過多 発作時発汗、頻脈
2.神経生理学所見
 a.筋電図 持続性運動単位電位
反復放電
持続性運動単位電位
 b.全身麻酔 無 効 筋弛緩、筋電図消失
 c.末梢神経ブロック 通常無効 筋弛緩、筋電図消失
 d.神経筋接合部遮断剤 筋弛緩、筋電図消失 筋弛緩、筋電図消失
3.病変部位 末梢神経遠位部 中枢神経
4.自己抗体 抗VGKC抗体 抗GAD抗体(約60%に陽性)
抗amphiphysin抗体

※VGKC:voltage-gated K+ channel(電位依存性カリウムチャネル)
神経終末においてアセチルコリンの放出に関与する電位依存性カルシ
ウムチャネルの機能を制御する。
※GAD:glutamic acid decarboxylase
抗GAD抗体は自己抗体の一つで、膵ラ氏島、GABA作動性ニューロン
に対する自己抗体である。(その主な抗原はGADであることで命名)
※amphiphysin:シナプス小胞関連蛋白
抗GAD抗体はインシュリン依存性糖尿病でも陽性






結合織筋痛症候群

 A.診断基準
  1.三か月以上続く全身の痛み
  2.肩・腰・肘・膝などに定められた(下記)18箇所の圧痛点のうち11箇
   所以上で実際に圧痛を認める。
  ※圧痛点(左右合計で18箇所)
   体調により変化、過敏に反応することが特徴
   ・後頭下筋付着部
   ・C5〜7横突起間全面
   ・僧帽筋部
   ・棘上筋部
   ・第2肋間肋軟骨部
   ・上腕骨外側上顆部
   ・上外側臀筋部
   ・大転子部
   ・内側膝関節部

 B.治療
  1.抗鬱剤
   イミプラミン、アミトリプチリンなど
  2.その他
   抗不安剤、マイナー・トランキライザー、筋弛緩剤、NSAIDなど。
   心理療法






好発年齢別の seronegative arthritis の鑑別

 1.思春期・青年期
  ・HLA-B27関連脊椎関節炎
   強直性脊椎炎、ライター症候群、反応性関節炎(赤痢、クラミジアな
   ど)、乾癬性節炎
  ・炎症性腸疾患による末梢性関節炎
  ・post-streptococcal reactive arthritis(扁桃炎に伴う反応性関節
   炎)
  ・成人Still病
  ・サルコイドーシス
  ・HBV、パルボウイルスなどウイルス感染に伴う関節炎
  ・SLE、その他の膠原病(MCTD、scleroderma、PM/DM、SjS)
  ・高安動脈炎など
  ・原因不明の一過性関節炎
   menstrual arthritis、fibromyalgia syndrome、
   chronic fatigue syndrome、acne arthritis

 2.壮年期
  ・仙腸関節炎
  ・変形性関節炎
  ・ベーチェット病
  ・HTLV-1による関節炎(HAAP)
  ・掌蹠嚢胞症による関節炎
  ・rubella arthritis
  ・回帰性リウマチ
  ・結節性紅斑、血管炎症候群
  ・クリオグロブリン血症(HCV抗体陽性の場合が多い)

 3.老年期
  ・PMR
  ・remitting seronegative symmetrical synovitis with pitting
   edema syndrome
   (RS3P)(McCarty、1985)
  ・痛風(多発性)、偽痛風
  ・変形性関節炎
  ・癌関連の関節症状
  ・アミロイドーシス






【第28章の補遺】:雑多な知識の寄せ集め

ビタミンの話

 1.ビタミンE・ビタミンC(抗酸化作用をもつビタミン、NIS、No.3877(H10/8):106)
  イ.脂溶性
    ビタミンE、β-カロテン(カロテノイドの一種、プロビタミンA)

  ロ.水溶性
    ビタミンC

  a.ビタミンEの作用
   脂溶性ビタミンとしてリポ蛋白に取り込まれて存在し、ラジカルを補捉
   し抗酸化作用を発揮

  b.ビタミンCの作用
   水溶性ビタミンとしてリポ蛋白の外で、同様にラジカルを補捉しリポ蛋
   白の酸化を防止。またビタミンEがラジカルを補捉し生成されたビタミ
   ンEラジカルをビタミンCが還元再生する働きもある。

  c.結論としてのビタミンE・Cの所要量
・ビタミンEは100〜200mg/日
・ビタミンCは200mg/日

 (1).ビタミンE
  イ.ビタミンE含有量表示
   ・ビタミンEの同族体
    α、β、δ、γ-トコフェロール。このうちα-トコフェロールが最も
    活性が高い。
   ・α-トコフェロールには8つの異性体が存在しRRR体だけが自然界に
    存在し、「天然型α-トコフェロール」と呼ばれる。
   ・ビタミンEが合成されると8つの異性体の等量混合物がつくられ、そ
    れは纏めて「all-racemic α-トコフェロール」と呼ばれている。
   ・ビタミンEの1IU(国際単位)
    all-racemic α-トコフェリル酢酸エステル1mgの活性と定義
    天然型α-トコフェロールの活性は1.49IU/mgで 1α-トコフェロー
    ル当量は天然型α-トコフェロール1mgの活性に相当。

  ロ.ビタミンEの目標摂取量
    多価不飽和脂肪酸(脂質過酸化を受け易い)摂取量との関係で設定さ
    れる。
・多価不飽和脂肪酸1g当たりおよそ0.4mgα-トコフェロール当量が成
    人での適正量
・アメリカでは一日あたり、10mg α-トコフェロール当量、日本では
    成人男性が8mg、女性が7mg α-トコフェロール当量とされている。

  ハ.ビタミンEと冠動脈疾患予防の疫学的研究
    ビタミンEが心血管疾患の死亡
    率を抑制するかどうかは今だはっきりしないが冠動脈疾患発症のリス
    クが30〜40%低下するという報告はある。

  ニ.過剰毒性
    成人においてα-トコフェロール当量で200〜800mg/日の摂取は副作
    用はない。800〜1200mg/日投与はある程度血小板粘着能を減少さ
    せる。
    しかし成人における長期のトライアルで出血による問題はない。

 (2).ビタミンC
  イ.ビタミンC所容量
    壊血病予防に必要な5〜10mg/日と尿中排泄量100〜200mg/日との
    間で日本人成人で50mg/日と設定。
    (喫煙者では血中ビタミンC濃度が有意に低く、200mg/日が必要と
     いわれる。)

  ロ.ビタミンCと動脈硬化疾患予防の疫学的研究
    ビタミンC単独補給での冠動脈疾患抑制硬化は示されてないが、新鮮な
    果実や緑黄色野菜摂取量と脳血管障害の発症が逆相関し、計算上のビ
    タミンC摂取量と冠動脈疾患による死亡率が逆相関するという報告があ
    る。

ハ.ビタミンCの過剰毒性
  安全域は1000mg/日が提唱されているが、500mg/日以上では尿中へ
    の蓚酸の排泄増加を引き起こす可能性あり、蓚酸結石の既往者は多量
    摂取を控えるべきだろう。






漢方薬ー使ってみよう10の処方(H11/1/26、井原市医師会研修会、中川先生)

 ※漢方薬は風邪症候群、不定愁訴症候群、老化予防に価値がある。
  1.葛根湯
   ・項部〜背部がこわばる、肩こり、汗が出ない、寒けがするような普通
    感冒に。インフルエンザには効かない。

  2.小柴胡湯:虚証には使わない
   ・本来か風邪薬
    風邪引いて数日後、口が苦い、咳が出るなどに。
   ・胸脇苦満に対して
    転じて慢性肝炎の、肝機能軽度異常や殆ど症状のない場合に使用。
    HCC発生の明かに予防する。
   ・副作用
    a.成分のオウゴンによる間質性肺炎
     高齢者と、肝臓の悪いヒトに注意。
    b.偽アルドステロン症
    c.高齢者で、ひ弱で、痩せ型の人には、副作用が発言しやすい。
   ・がっちり型には大柴胡湯、やせ型には柴胡加芍桂枝湯が適応

 3.補中益気湯
  ・手足がだるい、元気がない、口の中に泡、食欲不振に使用。
  ・風邪では一般的には葛根湯 → 小柴胡湯 → 補中益気湯の順番に使うとい
   う。
  ・老人以外の喘息予防に
  ・慢性疲労症候群に

4.麦門冬湯
  ・咳止め(痰がないか、痰の切れにくい咳に投与)、クラリス+麦門冬
   湯。
  ・のどが渇くとき、転じてシェーグレン症候群にも使う価値あり。
  ・咳喘息
  ・妊婦の咳止め

5.柴朴湯
  ・小柴胡湯+半夏厚朴湯と同じ
  ・梅のタネが喉につかえた様な症状に適応
  ・胸部不定愁訴に試みる価値あり。(呼吸困難感、動悸、息切れ、胸苦し
   さに)
  ・喘息に柴朴湯というのは殆どウソ、効かない。

6.加味逍遥散:「お血」という(に伴う)症状に適応
  ・肩こり、倦怠感、不定愁訴、多彩な愁訴に
  ・更年期障害

7.八味地黄丸(八味丸):老化予防薬として考える。
  ・正中芯(へその下から恥骨上部にわたってエンピツ状の固い芯を触知)
   があれば、夜間頻尿があることが多い。こういうのに投与する。
  ・肺気腫、喘息(特に老人の)

8.防風通聖散
  ・肥満
   食前に一杯の水とともに服用。
   これで満腹感じを与え、食欲を低下させる。
  ・便秘に

9.芍薬甘草湯
  ・こむら返りに
  ・腹痛でブスコパンの代わりに投与することもある。

10.当帰四逆加呉茱萸湯生姜湯
  ・しもやけの薬
  ・手足の冷えに、レーノー病に






脂肪塞栓症候群(FBS、fat embolism syndrome)

 A.はじめに
  1.骨折後の重篤な合併症、脂肪滴が大量に全身循環へ流入し重篤な呼吸・
   神経症状をおこしたもの。
   大腿骨>脛骨>骨盤で上腕骨・頭蓋骨・胸骨。肋骨はすくない。

  2.その他原因
   関節置換、hemoglobinopathy、膠原病、糖尿病、熱傷、重症感染、骨
   髄炎、輸血、人工心肺、高山病、腎移植など

  3.長管骨骨折の約90%で血中に脂肪粒が認められるfat embolismを起こ
   すが、殆ど無症状。

  4.頻度
   0.25%(4530例中)〜1.25%(7701例中)といわれ、90%は多発外
   傷、10%は股関節置換後。そのたの原因は非常に稀。

  5.小児の頻度は大人と大体おなじだろう。小児は点状出血が少ないなど診
   断困難。

  6.死亡率
   10〜20%。大腿骨9.0%、脛骨3.4%、両方で20%。

 B.病因、病態
  1.脂肪滴の放出
   脂肪滴の由来は、骨折の髄内と周囲の脂肪組織が主体。FFSは閉鎖性骨
   折に多い。
   大腿骨の生理学的髄内圧は30〜50mmHgであるが股・膝関節置換時に
   は800mmHg、セメントによる骨頭置換時には1400mmHgまで上昇。
   これにより髄内脂肪が静脈を通じて大量に血流に流入。ターニケットを
   deflateした時も注意。

  2.塞栓
   1).脂肪滴が肺血管に塞栓
     直径20μmの肺血管は脂肪滴で機械的に閉塞。そこに血小板やフィ
     ブリンが付着して塞栓となる。小さな骨髄の微小塞栓が大きく成長し
     て時には3cm径までになる。大きな塞栓は直ちに右心不全をおこし
     突然死の可能性もある。
   2).脂肪滴に含まれる物質が生化学的に変化

  3.肺損傷
   骨髄組織中のmediatorに関連する局所反応が連鎖的な炎症反応を起こ
   し続発的に肺血管を障害、肺リパーゼは脂肪滴中の中性脂肪を水酸化し
   て遊離脂肪酸となるがこれも毒性を有し内皮細胞を破壊。肺の界面活性
   剤の不活化、毛細血管透過性亢進壊れた血小板からのセロトニンやアミ
   ンの放出、肺実質よりのヒスタミン放出などより結局、肺血管攣縮、気
   管支攣縮、血管内皮細胞損傷を生ず。肺血管へのフィブリン沈着。

  4.脂肪滴の全身循環への放出
   血管内脂肪滴形を変えて肺血管を通過すると考えられ、肺のAVシャン
   トが存在すると全身に脂肪滴が回る。(肺高血圧、肺気腫、肺化膿性疾
   患、肝硬変など)

  5.BBB(血液脳関門)の破壊
   脂肪栓塞事態がBBBを破壊

  6.出血性ショックの関与
   出血性ショックの陥ったほうがFESが起こり易い。微小循環不全により
   血球が肺や脳の毛細血管で引っかかり血小板凝集能が亢進して肺で捕え
   られることより生ず。

 C.病理
  1.肺組織
   血管炎(遊離脂肪酸による)、出血性間質性肺炎。無気肺。これにより
   肺-毛細血管の酸素運搬能が低下して低酸素血症となる。他の原因の
   ARDSに類似。

  2.脳組織
   白質全体に点状出血や斑状出血あり。塞栓は灰白質に多いが出血は白質に
   多い。
   塞栓が細動脈や毛細血管を閉塞し周囲は壊死。数mmから4cmの出血性あ
   るいは虚血性梗塞。慢性期では白質の広範な脱髄。

 D.臨床症状、診断
  呼吸不全(ARDS)、中枢神経症状、皮膚の点状出血が三大症状。全部揃
  うのは1〜5%で呼吸症状だけというのが29%存在。受傷後数時間から72
  時間の潜伏期を経て発症。

  1.呼吸不全
   a.呼吸困難、頻呼吸、低酸素血症が三主徴
   b.咳、喀啖、湿性水疱音
   c.低酸素血症
   d.胸部レ線
    両肺底部を中心とする、淡いすりがらす状陰影と細かな点状影が混在
    して、snow storm shadow を呈す。
   e.肺動脈圧上昇、肺動脈楔入圧低下、PaO2低下。

  2.中枢神経症状
   a.意識障害
    不穏、傾眠傾向、深昏睡まで様々。
   b.画像
    MRIが感度良好:多彩であるが、急性期には点状出血に一致してT2強
    調で白質に散在する高信号域の小病をみる。

  3.皮膚の点状出血
   両肩前面、前胸部、前腋下部、鎖骨上窩部、側腹部、鼠徑部
   結膜で、数時間で消失することもある。見逃さぬこと。

  4.その他の症状
   貧血、血小板減少、血清リパーゼ上昇、血清カルシウム減少、尿中脂肪
   滴、眼底鏡で網膜の小梗塞あるも、特異的なものではない。

  5.ある統計
   ・FESは長管骨骨折の0.9%に発症、低酸素血症(96%)> 意識障害
    (59%)> 点状出血(33%)> 39度異常の発熱(70%)>120/m
    以上の頻脈(93%)> 1.5万以下の血小板減少(37%)> 原因不明
    の貧血(67%)であった。
   ・死亡率:7%。

 E.治療(特異的、根本的治療はない)
  1.呼吸管理

  2.循環管理、血小板は通常自然回復

  3.薬物療法
   ステロイド(抗炎症)、ヘパリン、ウリナスタチン(蛋白分解酵素)、
   プロスタグランジン製剤(血小板凝集阻害)が試用されたが、いずれも
   有効性は証明されなかった。

  4.予防が大事
   術中の急な体温上昇FESの重要な兆候の一つ。






胸水とリンパ管系

 A.胸膜と胸膜腔
  胸膜は一層の中皮細胞と薄い結合組織から成っており、肺実質・縦隔・横
  隔膜表面および胸部内面を覆っている。
  1.臓側胸膜
   肺実質と肺葉間の裂溝面を包んでいる胸膜

  2.壁側胸膜
   縦隔・横隔膜・胸壁を覆う。

  3.胸膜腔
   臓側胸膜と壁側胸膜のあいだの潜在的なスペース。
   健常人では約10〜30mlの胸膜液があるといわれるが定かではない。
    ●ヒトの正常な胸膜液の成分はよく知られていない。HCO3-の濃度は
     血清より高く、血清よりもアルカリ性である。血清Naは3〜5%低
     く、Clも6〜9%低い。
     K、ぶどう糖、PCO2は血清とほぼ同じ濃度。

 B.胸水
  1.漏出液
   a.蛋白量3.0g/dl未満
   b.LDH200IU/ml未満、WBC3000未満、ぶどう糖60mg/dl以上
   c.鬱血性心不全、肝硬変、ネフローゼ、SVC症候群、腹膜潅流、糸球体
    腎炎、甲状腺機能低下、肺血栓栓塞、サルコイドーシスなどでみられ
    る。

  2.滲出液
   a.悪性腫瘍、結核など感染症、膵臓疾患、肝膿瘍、食道穿孔、SLE、
    Sjogren、薬剤(アミオダロンなど)、RA
   b.悪性腫瘍、結核など感染症、RAによる滲出液の成分は、pH7.20未
    満、ぶどう糖60mg/dl未満。
   c.膵臓疾患、食道穿孔などによるばあいはアミラーゼ200U/dl超といわ
    れる。

 C.胸水貯留の原因
  1.胸水産生増加
   a.左心不全、肺血栓栓塞による肺の間質液の増加
   b.左心不全、右心不全、SVC症候群における胸膜血管内圧上昇
   c.胸膜液の蛋白質の上昇
   d.無気肺などによる胸膜腔内圧低下
   e.腹膜潅流や腹水に伴う腹腔内液体貯留
   f.胸管の断裂

  2.胸水吸収減少
   a.リンパ管系の障害
   b.体循環圧の上昇